
インターネットの発達によって多くの場面が便利になったことは否定できませんが、こうした発展はさまざまな問題も生み出しています。とりわけオンライン空間の「匿名性」が問題になります。これを悪用して他人を非難・批判するケースが増えています。主に芸能人、スポーツ選手、インフルエンサーなどの著名人が被害を受けますが、最近では一般人が被害を受ける事例も増えています。とくに虚偽の事実を流布されて被害が生じることもあります。
虚偽事実流布罪とは
虚偽事実の流布とは、文字どおり虚偽の事実を広めることをいいます。虚偽事実の流布は名誉毀損とも結びつき、名誉毀損、詐欺、虚偽公示、商標権侵害、選挙法違反などが虚偽事実の流布に該当しうるものです。
虚偽事実の流布の場合、結果に応じて異なる罪が適用されることになりますが、その中でも最も比重が大きいのが、韓国刑法第307条に該当する名誉毀損罪、そして情報通信網利用促進および情報保護等に関する法律(情報通信網法)第70条に該当するサイバー名誉毀損罪です。これはさらに、事実摘示名誉毀損罪と虚偽事実摘示名誉毀損罪に分かれます。摘示された事実が真実であるか否かにかかわらず、それによって相手方の名誉が毀損されたのであれば、これに関連する罪に問われる可能性があります。虚偽事実流布罪は虚偽事実摘示名誉毀損に含まれるため、その処罰は決して軽いものではありません。
このほかにも、金銭的利益を得るために虚偽の事実を流布した場合は詐欺、会社で虚偽の事実を用いて打撃を与えた場合は虚偽公示、類似の商標を他人の商品であるかのように装った場合は商標権侵害、選挙で勝つために虚偽の事実を摘示した場合は選挙法違反などの容疑が適用されうるものです。
虚偽事実摘示名誉毀損罪の成立要件
虚偽の事実を流布した場合、それによって他人の名誉が毀損されることがあります。このときの成立要件としては、虚偽の事実が具体的に摘示されていること、不特定または多数の人が認識しうる公然性があること、そして被害者が誰であるかを特定できることが必要です。
虚偽事実流布の際の処罰
虚偽の事実を流布した場合、韓国刑法第307条(名誉毀損)により5年以下の懲役、10年以下の資格停止または1千万ウォン以下の罰金に処され、情報通信網法第70条(罰則)により7年以下の懲役、10年以下の資格停止または5千万ウォン以下の罰金に処される可能性があります。
虚偽事実流布の容疑、弁護士が必要な理由
ただし、虚偽事実流布罪は反意思不罰罪(被害者の意思に反して処罰できない罪)に該当するため、被害者が加害者の処罰を望まない場合には、処罰を受けずに済むこともあります。そのため、虚偽事実流布罪の容疑を受けている場合には、関連する弁護士の相談を受け、初期対応と示談をしっかり進めることが重要です。