触法少年とは

触法少年(촉법소년)とは、刑罰法令に触れる行為を行った満10歳以上14歳未満の少年をいいます。韓国刑法第9条は14歳に満たない者の行為は罰しないと定めているため、触法少年は刑事処罰を受けません。その代わりに少年法に基づき、家庭裁判所の少年部で保護処分を受けることになります。

年齢を基準に整理すると、満10歳未満は犯法少年(범법소년)として刑事処罰も保護処分も受けず、満10歳以上14歳未満は触法少年として保護処分の対象となり、満14歳以上19歳未満は犯罪少年(범죄소년)として刑事処罰と保護処分のいずれも可能となります。

保護処分の種類

少年法第32条は、1号から10号までの保護処分を定めています。保護者監護委託(1号)、受講命令(2号)、社会奉仕命令(3号)、短期・長期の保護観察(4号・5号)、児童福祉施設等への委託(6号)、病院・療養所への委託(7号)、1か月以内の少年院送致(8号)、短期の少年院送致(9号、6か月以内)、長期の少年院送致(10号、2年以内)です。

事案の軽重や少年の置かれた環境に応じて複数の処分が併合されることもあり、最も重い10号処分は最長2年間少年院に収容されるもので、事実上拘禁に準じる効果があります。

保護処分は前科ではありません

保護処分は刑罰ではないため前科の記録は残らず、少年法第32条第6項は、保護処分がその少年の将来の身上にいかなる影響も及ぼさないと明記しています。ただし捜査段階の記録は一定期間残ることがあり、同種の非行を繰り返すと、その後の手続きで不利な資料として考慮されることがあります。

被害者の立場で知っておくべき点

加害者が触法少年で刑事処罰ができない場合でも、民事上の損害賠償請求は可能です。責任能力のない未成年者の行為については、民法上の監督義務者である親が賠償責任を負うのが原則ですので、治療費や慰謝料などを親に請求することができます。学校暴力(いじめ)の事案であれば、学校暴力対策審議委員会(학교폭력대책심의위원회)の手続きも別途進められます。

保護者の立場で知っておくべき点

子どもが触法少年として少年部に送致されると、保護者も調査と審理の手続きに参加することになります。少年事件は処罰ではなく教化を目的としているため、非行に至った経緯についての反省、被害者との示談と被害回復、再発防止に向けた環境改善の努力が処分の程度に大きな影響を与えます。少年院送致のような重い処分を避けるには、審理の段階での体系的な準備が必要です。

触法少年の年齢引き下げをめぐる議論

凶悪化する少年犯罪に対応するため、触法少年の上限年齢を満13歳未満に引き下げる法改正の議論が続いています。まだ施行されたわけではありませんが、社会的な関心が高いだけに、少年事件をめぐる制度は今後も変わる可能性があります。

刑事専門弁護士の助力が必要な理由

少年事件は一般の刑事事件とは手続きがまったく異なり、同じ行為であっても年齢によって手続きと結果が変わります。加害少年の保護者であれば保護処分の程度を軽くするための準備が、被害者であれば民事賠償や学校手続きまで含めた対応が必要となりますので、少年事件の経験がある刑事専門弁護士の助力を受けることが重要です。